『院内SEに興味あるけど、実際はどんな仕事をしているだろう』と悩んでいませんか?
実は、この記事で紹介する『院内SEとは?』を見ると、どんな仕事なのか誰でも理解することが出来ます。
なぜなら、僕も現在、病院に勤めて8年目になり、ずっと院内SEとして働いているからです。(前職は東証一部のIT企業に8年ほど勤めていました)
この記事では、院内SEの仕事内容や年収など、実際に働いている立場から現場の生の声をお届けします。
記事を読み終えると、院内SEがどんな仕事なのか、具体的にイメージ出来るようになります。
・仕事内容
・院内SEの一日
・メリット
・デメリット
・年収
・昇給
・残業時間と残業代
・手当
・どんなことにやりがいを感じるか?
・実体験
・必要なスキル
・必要な資格
・オススメの転職サイト
1.院内SEとは?
院内SEは病院などの医療機関で働く社内SEのことで、安定した・オススメの仕事です。
なぜなら、一般企業に比べて景気に左右されにくい業種の為、給与やボーナスも安定しており、仕事内容やワークライフバランスなども充実しているからです。
僕は前職でIT企業のシステムエンジニアをしていましたが、この職種に転職してからは実際に安定した生活を送ることができ、それまで抱えていた不安がなくなりました。
まずは院内SEの主な仕事内容から説明していきます。
仕事内容
電子カルテの保守業務
院内SE業務の大半を占めるのがこの「電子カルテの保守業務」です。
現在は多くの病院が従来の紙カルテから電子カルテに移行しています。
病院内のほぼ全て職種がこの電子カルテを中心に業務を行っているので、
そのサポートをするのが院内SEの大きな役割です。
PCのセットアップやプリンタのトラブルシューティング
病院で使用しているPCの数は非常に多く、その種類も大きく2つに分けられます。
- 電子カルテ端末
電子カルテを使用する為のPC。設置台数は多め。個人情報を取り扱う為、ネットワークはイントラネット(院内のみ公開)にしている病院が多い。
- インターネット系端末
インターネットやメールを使用する為のPC。設置台数は電子カルテ用PCに比べると少なめ。
PCの故障時・入れ換え時にはセットアップが必要となり、台数が多ければ多いほど大掛かりな作業になります。
また、各プリンタも複数の部署に設置されています。
PCもプリンターも何かトラブルが起きると、業務に支障をきたす為、これらのトラブルシューティングも院内SEの重要な役割です。
下の記事でより具体的に解説しているので、参考にしたい方はどうぞ!
企業(ベンダー)との折衝
PCの追加購入やプリンタ故障による修理委託など、専門の企業へ依頼する際の窓口を担います。
折衝する企業を「ベンダー」と呼ぶこともあります。
コストを出来る限り抑えたり、病院経営にプラスとなるような交渉力が問われます。
院内のシステム機器の選定や導入
病院内のシステム機器は全て企業から導入した機器です。
機器導入までの全ての過程(機器の選定、見積の取得、院内決裁、納品、導入、検証など)を担当し、専門の企業と交渉を行い、進めていきます。
データの二次活用
電子カルテの種類によってはデータベースを公開しているものもあります。
つまり、データを全て取り出せるわけです。
その為、次のような二次利用に活かすことが出来ます。
- 診療時間帯毎に患者の年齢層の統計を取る
- 他病院からの紹介率を抽出する
- 処方箋の数を集計し、一番多く処方されたお薬を特定する
など
病院内でも需要が多く、院内SEの腕の見せどころです。
システム機器の点検
各システム機器の状況を定期的に点検します。
各種サーバなど、電算室と呼ばれる機械室に設置されているケースが多く、
決まった時間帯で定期点検を行います。
ヘルプデスク業務
例えば
- PCの電源が入らない
- Zoomでオンライン研修をするので使い方を教えて欲しい
- 学会で発表する資料に図表を載せる方法を教えてもらえないか?
などなど。
通常業務の問合せの他に、職員の個人的な相談を受けるケースもあります。(私物PCの動作が遅くなったので見てもらいたい 等)
院内SEの一日
通常時

繁忙期

2.院内SEのメリット・デメリット
メリット
- やりがいがある
- 景気に左右されにくい
- 自分の時間が持てる(趣味や子育て、スキルアップ、副業などに費やすことができる)
- 感謝されることが多い
一般企業と比べて納期も少ないので、よほど繁忙期でなければ残業は少ないです。
毎日を定時退社にすることも全然可能です。
そして、医師や看護師など他の医療従事者はITに詳しくない人が多く、ちょっとしたことをサポートするだけでとても感謝されます。
その為、やりがいを感じることも多く、一般企業に勤めてる人で「納期に追われる毎日で少し疲れた」や「感謝されることがほとんどない」と思っているのであればオススメです。
デメリット
- 時には理不尽な事を言われる
- 少ない人数で全ての部署をサポートする必要がある
院内SEは病院の事務職に所属しているケースが多いです。
肩書は「事務部 情報システム管理室」といった感じです。
事務職には他にも総務課や経理課、人事労務課、医療事務など、多くの職種が含まれますので、どうしても少ない人数しか配置されていません。
その為、各部署からの問合せが殺到すると仕事が回らないこともあります。
また、情報システム部門は”なんでも屋”として扱われる傾向が多く、「システムに詳しい」=「どんな状況も改善してくれる」と思われることも少なくありません。
時には「カルテ記事の入力をキーボードではなく音声でしたい」など、理不尽なことを言われることもあります。(実際に音声で文字を転記してくれるシステムはあるのですが)
3.院内SEの給与・待遇面
年収
気になる院内SEの年収ですが、ざっくりいうと400~500万です。
病院によっては「月給+ボーナス」だったり、「年俸制」の場合もあります。
昇給
院内SEの昇給についてですが、多くの病院が年1回としています。
中に年2回としている病院もあるようです。
残業時間と残業代
院内SEの残業代ですが、基本的にはちゃんと出ますので安心してください(笑)
ただ、前述にもある通り、繁忙期でなければ残業自体が少ないです。
繁忙期の時は40~50時間ほどすることもありました。(数年に一度のシステムのリプレイス時期など)
手当
院内SEの手当ですが、看護師などの技術職に比べて事務職自体に手当があまりありません。
よくある「住宅手当」や「通勤手当」以外だと、昇進などした時に付く「役職手当」や、特定の資格を持っている場合に付く「資格手当」くらいです。
↓の記事で『院内SEの年収は?』について具体的に解説しています。
参考にしたい方はどうぞ!
4.院内SEのやりがい
どんなことにやりがいを感じるか?
- 達成感を感じる機会が多い
- 医療に貢献出来ている
- 感謝されることが多い
病院にもよりますが、一般企業に比べて職員一人一人のITスキルは決して高くありません。
その為、「え?こんなことで感謝されるの!?」と思う機会も少なくないです。
こちらが思っているよりもITスキルを持つ職員はずっと重宝されるというわけですね。
実体験・エピソード
エピソード1:
PC上で起動しているアプリをなかなか落とせず、困っていた看護師がいて、タスクマネージャーを起動して落として上げるととても感謝された。
エピソード2:
同じ事務の職員からExcelで集計を取りたいと言われ、SUM関数などを組み合わせて提供すると感動してくれた。(笑)
エピソード3:
医師がPCの配線がごちゃごちゃしてて困っていたので、LANを有線から無線に変えてあげたり、結束バンド等で配線を纏めると、普段あまり笑わないその医師が子供のように喜んでくれた。
など
5.院内SEに転職するには?
必要なスキル
院内SEに転職する上で必要なスキルはどのようなものがあるのでしょうか?
- PCの基本操作
- Office(Excel、Wordなど)の操作
- ネットワークの基礎知識
- PCの基礎知識(ハードウェア面も含めて)
- プリンタの基礎知識
- コミュニケーションスキル
など
ざっくり上記のようなスキルが挙げられます。
が、これらは「習得しておくに越したことはない」という程度です。
強いていえば「PCの基本操作」が出来れば、他のスキルは業務をこなしていく上で自然と身に付いていきます。(※もちろん仕事に就いてからの努力は必須です)
ですので該当するものがなくても不安になる必要はありません!
必要な資格
院内SEになる前に取得しておいた方が良い資格はあるのでしょうか?
結論から言うと・・・特にありません!
前述にもあるように基本的なPC・ITスキルがあれば充分にやっていけます。
強いていえば「医療情報技師」を持っておくと院内SEの基礎知識が身に付きますし、病院によっては優遇される場合もあります。
オススメの転職サイト
院内SEの求人情報が掲載されているオススメの転職サイトを紹介します。
☑院内SEに強い求人・転職サイト
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6.院内SEとは?(まとめ)
最後にもう一度、『院内SEとは?』のおさらいしておきましょう。
- 仕事内容は『電子カルテの保守業務』、『PCやプリンタのトラブルシューティング』、『データの二次活用』など多岐にわたる
- 一般企業に比べて残業は少なく、定時退社も多いので自分の時間を持てる(趣味や子育て、スキルアップ、副業に費やすことができる)
- 少ない人数で多数の部署をサポートする必要があり、「なんでも屋」という位置付けになる場合も多く、時には無理難題を言われる
- 年収は400~500万程度、昇給は年1回、残業自体は多くないが残業代は基本的に出る、技術職に比べて手当の種類は少ない
- 転職する上で必須なスキルや知識は特に無く、基本的はPC・ITスキルがあれば充分にやっていける(仕事に就いてから努力することは必須)
この記事が見ている方の参考になれば幸いです^^