本記事ではこのような悩みを解決していきます。
なぜなら、僕も現在、病院に勤めて8年目になり、ずっと院内SEとして働いているからです。
僕の場合、IT企業のSEから転職しましたが、3年目からはシステム部門長をしています。
部下の中には新卒もいて、試行錯誤しながら成長していく様子を間近で見てきました。
そんな様子を見ていて、もし新人が入ってきたら、「こういう仕事をしてもらいたい」や「こんな事ができる新人いたら心強いな」という視点を持つようになりました。
新卒予定の人達は不安を抱えたまま就職活動をしていると思います。
この記事を読み終える頃には、院内SEへの就職に向けて前向きに取り組めるようになりますよ!
1 院内SEは新卒でもなれる?
2 院内SEの主な仕事4つ
① 電子カルテの保守業務
② PCやインフラの整備
③ ヘルプデスク
④ データの解析や統計業務
3 院内SEのメリット&デメリット
・メリット
・デメリット
4 新卒で院内SEになるために必要なこと6つ
・必要なスキル
① 基本的なITスキル
② コミュニケーション力
③ 調整力
・必要な知識
④ PC関連
⑤ プリンター関連
⑥ 医療用語
5 まとめ
院内SEは新卒でもなれる?
いきなり結論ですが、新卒でも院内SEになることはできます。
ネット上は狭き門とか色々と囁かれていますが可能です。
ただし、募集が少ないことも事実です。
能力不足や適正がないからということではなく、そもそも他の職種と比べて採用数が少ないんです。
1つの医療機関内で1人もしくは2人いるかどうか、という感じです。
(クリニックなど小規模な所では総務部門が兼務でやってたりします)
なので新卒に限らずですが、院内SEになるのは簡単ではないということです。
院内SEの主な仕事4つ
では、そもそも院内SEがどんな仕事をしているのか?
主な業務を4つ紹介していきますね
① 電子カルテの保守業務
これがメインの仕事です。
今ではほとんどの医療機関が電子カルテシステムを導入しています。
つまり、院内のほぼ全スタッフが電子カルテで業務を回しています。
ほとんどの業務が電子カルテ中心なので、当然ですがそこに対する問い合わせも増えてくるわけです。
そんな現場の悩みを解決してあげるのが院内SEの役割です。
② PCやインフラの整備
電子カルテだけでなく、PCに関する仕事も多いのが院内SEです。
何か障害があればベンダと折衝したり、時には自分で修理をする場合もあります。
また、Windows等のOSのサポート終了に伴い、端末の入れ換えをすることもあります。
PCだけでなく、サーバやネットワーク、プリンターなどの各種機器でも同様のことが言えます。
必然的にインフラ周りの知識は必要になりますね。
③ ヘルプデスク
割と重要なのがコレです。
医療機関のシステム管理室以外のスタッフは、PCやプリンターなどの機器にあまり詳しくないです。
なので「コピー&ペーストのショートカットキーを教えて欲しい」や「プリンターのトナーが切れたので交換して」などの問い合わせが来ることがあります。
電話でちょこっと伝えれば済むことであれば良いですが、現場に行って対応しないといけない場合もあります。
急ぎの場合は駆け足で行くこともあるので、意外と運動量は少なくありません。(笑)
ちなみになぜ重要かというと、少なからず自分への評価につながるからです。
医療機関では各スタッフからの声や意見が重要になります。
特に医師と看護師。
彼等からの評判ほど、医療機関内における院内SEの立場を左右するものはないです。
「あの人、呼んでもなかなか来てくれないからねー」
「この前頼んだ件、何も連絡ないけどいつになったらやってくれるんだろ・・・」
などと言われ始めたら黄信号です。
ヘルプデスクなんて・・・と思わず他の業務と同様に優先的に対応しておいた方が無難です。
④ データの解析や統計業務
他の3点に比べて頻度は高くないのですが、コレができると医療機関内では重宝されます。
医療機関で働くスタッフはとにかく様々なデータを必要としています。
(この辺りは少し専門的なワードが出てきます)
・平均在日数
・病床利用率
など他にも多数
これらのデータを分析して経営に貢献したり、学会などで講演する際に使用したりと、活用する機会が頻繁にあります。
つまり、そのデータ抽出を院内SEに依頼されるというわけです。
データ抽出に使う手法はいろいろあります。
よくあるのは『Access』『ファイルメーカー』『Excel』です。
院内SEのメリット&デメリット
では、院内SEをしているとどんなメリットやデメリットがあるんでしょうか?
・メリット
僕は院内SEを8年続けていますが、実際に感じるメリットは以下の通りです。
・残業が少ない
・様々な知識やスキルが身につく
・スキルアップの機会が多い
まだ他にもあるんですが一番実感するのは上記の4つです。
院内SEはいろいろな職種と関わります。
当然、その人達から直接依頼された仕事をこなすわけで、対応した時にはすごく感謝されます。
実際、これがかなりモチベーションだったりします。(笑)
次に、院内SEは残業がほとんどないです。
何年かに一度、システムや機器の更新時期が来るのでその時には多少増えるくらいです。
院内システムの安定稼働が目的なので、トラブルがなければほぼ定時退社ですよ!
また、院内SEはシステムに関わる様々な仕事に携わります。
電子カルテをメインに、勤怠システムや人事・労務・給与、先に述べたAccessやファイルメーカー、コロナ禍に伴い拡大したZoomなどのWeb会議システム、などなど・・・。
たくさんの知識やスキルに触れる機会が多いので、それを身に付けるチャンスも多いわけです。
たとえ違う職種の仕事でも、自分のテリトリーであるシステムをきっかけに関わるのであればそこまでハードルも高くありませんよね?
職場の全システムに精通したオールラウンダーになることも夢じゃないですよ^^
・デメリット
続いてはデメリットです。
僕の場合、前職がブラックだったのでそこと比べるとあまり感じたことはないです。
ただ、客観的に見てデメリットになりそうな点を紹介します。
・残業が少ない
・様々な知識やスキルを身につけないといけない
・努力や工夫をしないとスキルアップしない
お気付きだと思いますが、どれもメリットを逆に言い換えたものです。
(手抜きじゃありません 笑)
いろいろな職種と関わるということは、コミュニケーションの機会が多いということ。
前職ではパソコンに向かってひたすら作業していた僕は、院内SEになってからまず最初にこの違いに驚きました。
とはいえ、話術が上手である必要はないです。口ベタでも全く問題ありません。
徐々に慣れていきますし、そういう心構えでいるだけで良いと思います。
また、残業が少ない=残業代には期待できない、ということです。
支払われないという意味ではなく、そもそもほとんど発生しないということなのであしからず。
そして、様々な知識やスキルに触れる機会は多いのですが、それらを身に付けていかないなら意味がないです。
身に付けるための努力や工夫は当然ながら必要です。
新卒で院内SEになるために必要なこと
次に、新卒で院内SEになるために必要なことを紹介します。
・必要なスキル
まずは必要な『スキル』です。
① 基本的なITスキル
パソコンの基本操作やExcel・Wordの使い方のことです。
正直、難しいことはやっていく内に身に付きます。
なので基礎を押さえていれば充分やっていけると思います。
② コミュニケーション力
繰り返しになりますが、コミュニケーションを取る機会は本当に多いです。
いろいろな職種・年齢・性格・・・、本当に様々です。
でも大事なのは、相手が望んでいることを理解し、その答えを伝えてあげる、です。
あれこれ考えようとせず、まずはそれだけを意識してください、
③ 調整力
このスキルは院内SEになった後からで良いのですが、ある意味、最も重要かもしれません。
医療機関の様々な職種に人達。
気難しい医師や、気の強い看護師、物静かな事務スタッフ、とても豪快な設備関係者 etc・・・。
そんな彼等と共同でプロジェクトを進めることがあります。
その場合、誰かがリーダーとなって先導していく必要があります。
時には院内SEがその役を担うことも・・・。
目的・ゴールの明確化、納期、日々の進捗管理、課題の抽出及び解決、関係者とのコミュニケーションなど。
リーダーとなると、これらをすべて管理し、進めていく能力が求められます。
こればっかりは実際に経験しないと身に付きません。
学生時代のサークルやバイトで似たような経験をしていたとしても、必ずしも役に立つとは限らないです。
・必要な知識
次に必要な『知識』です。
④ PC関連
一番使うトコですね。
ファイルやフォルダの操作はもちろん、アプリがフリーズした時などのタスクマネージャーからの強制終了、ショートカットキーなど。
まずは基本だけで良いので押さえておきましょう。
⑤ プリンター関連
医療機関にもよりますが、とにかくプリンターの数が多いです。
各部署に設置してあり、トラブルが起きれば呼ばれます。
呼ばれたとしても、特殊なトラブルでない限り、さほど怖くありません。
よくあるのは『トナー切れによる交換』や『紙詰まり』などです。
トラブルはある程度はパターン化される為、慣れれば対応の速度も上がります。
⑥ 医療用語
最後に医療の専門用語ですが、はっきりいってこれは知らなくてもOKです。
僕もそうですが、99%は院内SEになってから覚えました。
ただ、事前に知っておけばもっとやりやすかっただろうなとは思います。
なんせ前職の時は医療の「い」の字も知らなかったので。笑
まとめ
最後に『院内SEは新卒でもなれる?』のおさらいをします。
1 院内SEは新卒でもなれる?
→募集は多くないが充分なれる
2 院内SEの主な仕事4つ
① 電子カルテの保守業務
② PCやインフラの整備
③ ヘルプデスク
④ データの解析や統計業務
3 院内SEのメリット&デメリット
・メリット
『感謝されることが多い』
『残業が少ない』
『様々な知識やスキルが身につく』
『スキルアップの機会が多い』
・デメリット
『コミュニケーションの機会が多い』
『残業が少ない』
『様々な知識やスキルを身につけないといけない』
『努力や工夫をしないとスキルアップしない』
4 新卒で院内SEになるために必要なこと6つ
・必要なスキル
① 基本的なITスキル
② コミュニケーション力
③ 調整力
・必要な知識
④ PC関連
⑤ プリンター関連
⑥ 医療用語
ここまで『院内SEは新卒でもなれる?』という疑問に答えてきました。
コロナ禍に伴い、テレワークの普及やオンライン診療の発展など、今後はますますデジタル化の波がやってくることが予想されます。
そうなると、院内SEの需要も高くなるのでチャンスも増えますよね。
「新卒でも院内SEになれるのかな?」と不安になった時はこの記事を思い出してください!
この記事が見ている方の参考になれば幸いです^^
・新卒予定だけど院内SEは採用してもらえるの?
・院内SEに興味あるけど特殊なスキルや知識が必要?
・そもそも院内SEはどんなメリットがある?